文字校正に編集者がなぜ印刷所に出向く必要があるのか。
 例えば活版部分のページ数が96p(32の倍数)とすると、ゲラ刷り(初校)は一度に出てくるのではなく、さみだれ式に出てきます。
 校正作業をスムーズに進めるには、編集者が近くにいて、次から次に出てくるゲラ刷りに赤を入れて戻すしかないのです。
          
 オフセットやグラビアの場合、文字は写植(写真植字)を使いますが、図版(写真やイラスト)が誌面の主流を占めるので文字は少なく、いちいち写植屋に行くまでもありません。
 同じ雑誌でもオフセットやグラビア部分は製版・印刷に時間がかかるので先に進め、印刷にそれほど時間のかからない活版は最後の工程になります。
        
 活字の校正ですが、雑誌の場合よほどのことでない限り二校は取らず、なるべく初校で終わらせるため、徹底的にチェックします。
 誤字脱字はもちろん、文字の横転や〓なども厳しくチェック。
 「印刷所が直してくれるだろう」という甘い考えは許されません。このチェックが甘いと、同僚からは未熟者と見なされます。
    
 この出張校正、ふつうは2日かかります。2日目の後半になると、前日赤を入れて戻した直し校(最終校)ができあがってきます。
 
 同時に図版(写真やイラスト)の製版(ジンク版)と見本刷りが製版屋から届けられてきます。
 そこで文字を入念にチェック(赤を入れることもあり)した上、最終校に見本刷りを貼り付け、ジンク版の裏に位置番号を振って、ページ順に束ね、編集長が「校了」の判を押して印刷所に提出します。
 編集の作業はこれで終わりです。
     
 印刷所ではレイアウト通り文字と図版を組み合わせ、さらに刷版の枠に組み込みます。
 これで印刷するかと思うと、さにあらず。紙型(しけい)に取り、そこに亜鉛を流し込んで印刷用の版をつくり、初めて本刷りが行われるのです。
  
 この紙型、増刷に備えて一定期間保管されますが、不要になると廃棄されます。
 廃棄された紙型は小学校の工作の教材になります。
 私もこれでペン立てをつくった覚えがあります。これは活版印刷の副産物です。

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