最近友人と昔の仕事の話をすることが多くなりました。
 大半は営業職ですが、私は雑誌の編集業。それもエロ雑誌。
 「あんなものはよほどのスケベか変態男がつくってるんだ」と思われがちですが、誤解です。
 内容が何であれ、本の編集には違いなく、編集のスキルが必要とされます。
           
 実は昨日の川越の友人も編集者(彼はS社。メジャーです)。
 それだけに話がよく合います。
 そんなこともあって、今回は編集のなかでも活版印刷について述べてみます。
      
 活版印刷とは活字を組み合わせて版をつくり、印刷することです。
 その活字とは印鑑や木版(イモ版、リノリュウム版)と同じ凸版印刷で、出ている部分にインクがついて刷り上る仕組みです。
 そのため活字で印刷された単行本や新聞の文字には「しっかりプレスされた」という独特の風格が感じられます。
      
 活版印刷をするには、まず活字が必要です。
 例えば「京一郎」と印刷するには「京」「一」「郎」の活字の棒を組み合わせなければなりません。
 そのため無数にある漢字、平仮名、カタカナの活字棒のなかから文字を選び(文選)、原稿通り文字を並べる(植字)必要があります。
 これは大変な作業で、まさに職人技。
 映画「男はつらいよ」に出てくるタコ社長の印刷屋に勤める博(さくらの夫=前田吟)の仕事がこれです。
   
 私が出版社に勤めたころでも活版印刷は斜陽気味でしたが、それでも編集者の間では「編集者は活版ができてこそ一人前」といわれていました。
  私は最初グラフ誌担当でしたが、編成換えのとき活版を希望して実話誌の編集部に編入されました。
    
 グラフと活版ではレイアウト用紙が違います。
 グラフは無地ですが、活版の場合は14字×35行×5段というように文字が入る小さな豆粒が並んでいます。
   
 記事原稿はふつう20×20の原稿用紙に書かれます。これを14字詰めで行数を換算し、豆粒のレイアウト用紙に割付けます。
 最初のころは行数の間違いが多く「なんでこんな面倒で、不合理な作業をしなきゃならんのだ」と思いました(新聞社には字詰めに合わせた原稿用紙がありました)が、慣れるとそれほど難しい作業ではなくなりました。
           
 活字の編集といっても雑誌の場合は文字だけではなく、写真やイラスト、見出しの書き文字などが入り、それをレイアウトし、個別に製版屋に発注しなければなりません。
 オフセットやグラビア印刷と違ってこれが面倒な作業です。
     
 さらに文字の校正には印刷所に出向く必要があります。これを「出張校正」といいます。

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