横浜には「リンデン」「ファースト」をはじめ数多くのジャズ喫茶があります。
 なかでも野毛「ちぐさ」は有名で、日本最古のジャズ喫茶といわれ、デビュー前の渡辺貞夫、秋吉敏子、日野皓正など多くのジャズメンが通っていた店です。

 例の首猛夫も大学(四谷)から逗子の自宅に帰る際、よく立ち寄ったそうです。
 「先日は『ちぐさ』のオヤジとジャズ談義をしてきたよ」

  オヤジとは「ジャズ界にこの人あり」といわれる吉田衛(まもる)さん。そんな伝説的人物と気安く話を……。(その図々しさが首猛夫の持ち味ですが)
 「オヤジは『ジャズは気楽に聴くものだよ。音楽って音を楽しむと書くだろ。これがジャズの真髄だよ』といってたよ」

 私が「ちぐさ」に行ったのは彼が関西に行ってから、ずっと後のことです。
 最初に行ったときは、John Coltraneの「My Favorite Things」をリクエストしました。



 店主(吉田衛さん)はレコードプレイヤーのそばにいましたが、おそれ多くてとても話しかけることはなかったのです。

 二度目は風俗取材のついでに立ち寄りました。店主はすでに亡くなっており、妹さんが継いでいました。
 このときリクエストしたのはMal Waldronの「Left Alone」



 ドラマなどでもよく流れる有名な曲です。
 私自身もその心境でした。

 その「ちぐさ」は2007年をもって閉店しました。
 それから5年後、「ちぐさ」は場所を移して復活しました。
 私が行ったのは野毛大道芸大会の日でした。
野毛「ちぐさ」 
 入ってみると、店内は20人ほど、中高年客ばかり。けっこう混んでます。
 ジャズ喫茶の常として、相席で坐りました。
 夫婦者も3組ほど。なかには大道芸見物の流れらしく、デイバッグにカメラを手にしたご仁も。(当方もそうなのですが)
店内 
 店は以前より少し広く、窓も開いて、明るい感じです。
 雰囲気は似てますが、開放的で以前よりは居心地がいい。コーヒー500円は、高くありません。
メニュー 
 またしても「My Favorite Things」をリクエストしました。
 しかし……。
 曲は同じですが、Coltraneの重厚感がない。これは最初のVillage Vanguard版ではないな。
 ちょっとガックリ。しかも後半ダレる。
 これだったらBud Powell「Cleopatra's Dream」のほうがよかったかな。
 こんなことを迷っているようでは、ジャズ離れの兆候。加齢現象?
珈琲 
 もうくることもないか。
 そう思って「ちぐさ」をあとにしました。
 (完)

 ※このシリーズは、前ブログ「愛と孤独」に投稿した「ジャズ喫茶の思い出」(2010/05/16 ~21)に現在の状況を加えてリメークしたものです。
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