2014.12.09 今月の出句
 今月も俳句会があります。
 相変わらず駄句を連ねておりますが、今月は兼題が「鏡」とあって、
 「鏡見るどこの杣人(そまびと)冬帽子」→①「杣人か鏡の向ふの冬帽子」
 という句がすらりと出てきました。
 杣人とは樵夫(=きこり)のこと。冬用の帽子を被って鏡を見たら、樵夫に見えたという意味です。

  次に、②「マフラーを刎ねて臨みし俳句会」
 句会に臨むときは否が応でも気合が入る。その気持ちを、長いマフラーをビシッ刎ね上げる動作に託しました。

 ③「頭巾飛ぶバイク僧侶の師走かな」
 これは昔、故郷の京都で見た光景です。
 当時はヘルメット着用の義務はなかったので、僧侶は頭巾を被ったままスクーターに乗って、檀家回りをしていました。その僧侶がスピードを出しすぎて頭巾が飛んだ光景を目撃しました。
 そのときは師走ではなかったけど、僧侶が急いでいる様子を師走の風物詩として詠みました。

 コートを使った句をつくりたかったので、
 ④「郷帰りコートの襟をそっと立て」
 里帰りしても知ってる人には会いたくないので、コートの襟で顔を隠すという意味です。

 隙間風を使った句もつくりました。
 ⑤「徹夜して膝の痛みし隙間風」
 ⑥「兄弟で酒酌み交せど隙間風」
 ⑦「父親の通夜の宴や隙間風」
 ⑧「本堂の僧侶の読経や隙間風」

 <推敲>
 ①は杣人ということば自体がなじめないので、あまり気乗りがしない。そこで先日亡くなられた「健さん」を使おうとして、①’「ジャンパーの襟立て鏡の健さん風」
 しかし、「健さん風」はちょっと苦しい。そこで……。

 ②は俳句会というのが当たり前すぎて面白くない、と考えていたところ、尾篭な話で恐縮ですが、小用を足そうと前に垂れた長いマフラーを後ろに刎ね上げたとき、「これだ!」
 ②’「マフラーを刎ねて臨みし立小便」
 しかしこれではあまりに下品なので、いろいろ考えていたら「尿検査」が浮かびました。
 マフラーをビシッと刎ね上げ、気合入れてコイツは何に臨むのだ、と思ったら尿検査。
 そのガックリ感が面白いのではないか。
 採尿済み 
 ③はこれでいいのではないか、と思いました。

 ④⑤⑥⑦はまったく面白くないので、バッサリ切り捨てました。
 しかし「僧侶の読経や隙間風」は脈があるのではないか。
 そこで場所を具体的に「永平寺」にし、読経ではなく「説法」にしました。
 永平寺(福井県)は観光客にまで僧侶が説教するお寺。その説教もちっとも面白くない。そこで「隙間風」をかけました。

 ということで、今月の出句は、
 ①健さんを気取る鏡の黒ジャンパー(兼題・鏡)
 ②マフラーを刎ね上げ臨む尿検査
 ③頭巾飛ぶバイク僧侶の師走かな
 ④永平寺僧の説話に隙間風
 の四句です
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