同窓会について、「過去を振り返ることより、これから如何に過ごすかに関心がありますので、貴君の計画する同窓会には参加しません」と返答された方がおられました。

 そういう考え方もありますが、私は違います。
 20年ほど前のアメリカの心理学者の実験で、当時50代の男性数名を彼らの若いころ(1950~60年代)流行った家具やポスターなどを室内に配し、当時のポップス音楽が流れている環境に数日間合宿させたところ、記憶力や判断力など脳の働きや身体能力が上がり、身長や指の長さが伸びたというデータがあります。
 同博士の結論は「昔のことを思い出すことによって脳が活性化され、それが身体の機能にいい効果をもたらすのではないか」とのこと。(ディーパック・チョプラ「エイジレス革命」講談社)

 これと同じような効果が得られるのが同窓会です。
 私は27年前に中学時代の同窓会に参加したことがあります。
 みんな顔を合わせたとたん、互いに「おおーッ」と声を上げ、「お前、なにしてんねん」といい合い、ワァワァと取りとめもない話が尽きず、気持ちはすっかり中学生にもどっていました。
 このように同窓会というのは、心身ともに若返りの効果があるのです。
 さて、名簿を送られた当方ですが、いつまでも途方に暮れているわけにはいかない。
 今の自分にできることは、この名簿をもとに手紙を書くことしかない。
 そう考えて知っている人を中心に、中学の同窓会で配る予定のアンケートと、こうなった経緯を述べたメッセージを郵送しました。
 メッセージには相手のエピソードを交えてのもので、一人ひとり違う文面です。
 公平の原則には反しますが、まだ何もないところから公平性を考えてもしょうがない、個人の心をつかむにはこれしかないと思いました。(最初に出したのは20通ほど)
当時の通学路 
 2週間ほど経ったころからポツポツと返信が届きました。
 圧倒的に女性のほうが協力的。
 他の同窓生の連絡先を書いてくれた人もいたし、アンケートの回答以外に近況を連綿と綴られた便箋や、「ていねいな説明と写真を送っていただきありがとうございます」「お世話になります。くれぐれもご自愛ください」など、感謝と激励の手紙が寄せられていました。
 これはうれしかった。これでどんなに勇気づけられたことか。
 *
 アンケートの最初は、「同窓会について」(参加したい・どちらともいえない・参加しない)の項目ですが、「参加しない」が3人いました。
 そのうちのひとりは、その理由として「当時の友だちがいない。顔が一致しない。自分的に盛り上がらなさそうに思う」と答えました。
 たしかに目立たない人で、3年間同じクラスでありながら、会話を交わした記憶はありません。
 近況のところには「スーパーのNに勤め、転勤で大阪→東京→愛知→岐阜→東京→H市(茨城県)とまわり、H市で退職し、20年ここに住んでいます」と書かれています。
 これはこれで誠実な回答だと思いました。

 しかし……。
 回答を寄こさない人間もいる。これはどういうわけか。
 こちらはいきなりの手紙でアンケートに協力してもらうのだから、失礼のないよう返信用の封筒にこちらのあて先を印字し、切手まで貼っている。それなのに……(回答拒否?)。

 とくに私の近所に住んでいた友人には、「帰りはいつも一緒だったよね。君の話は知的で面白く、楽しかった」などと書いたのですが、まったくのナシのつぶて。
 こちらが一方的に「親しい」と思っていただけか。(これも私にはよくあることです)

 これを手がけてからというもの、女子の手紙でよろこんだり、薄情者の仕打ちにガックリきたり。悲喜こもごもの日々でした。

そんなある夜、Tという人物からいきなり電話がかかってきました。
「小学校の同窓会を計画してるんだって? ぜひ、ぼくも参加させてください」
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