2014.10.29 高齢者の句
 我が句会は高齢者が多く、私は二番目に若いほう。
 皆さん俳句の上でも先輩ばかりで、熟達した句をつくられる。
 今回は私が採らなかった句ばかりですが、あえて取り上げてみました。

 ①亀甲は亀屋のしるし木の実落つ……〇
 私にはこの句のどこがいいのかわかりませんが、先生は「題が『甲』なので『亀甲』を思いついたのは手柄です。亀屋の庭かどこかに木の実の生る大樹があるのでしょう。『木の実落つ』によって情景がよく見え、効いています」と絶賛。人の見方は様ざまです。

 ②秋彼岸我が家の墓は山の上 
 ③空澄みて黄金ひろごる豊の秋 
 ④秋天や大地の実りたははなり
 
 ③は一般的な秋の情景を詠んだ句ですが、「そりゃあ、秋ともなれば空澄んで黄金広がって豊かだろうよ」とイヤミのひとつでもいいたくなります。こんなことは誰でもいえることで、この人が自分独自の主張として詠む句ではありません。
 俳句とは、その人の内側から出てきたものだと思うのです。④も同じ。

 ⑤扇閉づ八十路に入りし手の甲よ
 ⑥松手入れ八十路の夫の雄姿かな……◎
 ⑤、⑥は同じ作者。ともに「八十路」を題にしています。⑤は自分。身につまされます。
 ⑥は夫ですが、⑤とは正反対。これについて先生の評価は、「自分の夫を堂々と(雄姿)と表現できるのは凄いですね。天晴れです。しかし中高年が高所から落下する事故が多発していますので、じゅうぶん気をつけてくださいね」
 なるほど、と思いました。しかし後の忠告は句の評価ではなく、余計なお世話というもの。

 ⑦障子張る背中叩いて秋来たり
 ⑧夏の果て膝の痛みのまた増せり
 ⑨病む妻の待つ家めざす秋しぐれ

 ⑦、⑧、⑨は友人(達人)の句。八十路ではなく、七十路に入ったばかりでまだ若い(?)。それなのに老齢をかこつ句ばかり。「オレも近い将来こんなになるのか」と思うと暗澹としてきます。

 ⑩愛といふものに縛られ通草(あけび)の実 
 これは我が句会の古株女性。年齢的には八十路に差し掛かっているはず。
 例によって想像(頭)でつくられた句ですが、たとえ願望であれ、このような方面に関心を持ち続けているというのは、感性が若いと思いました。
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