日本相撲協会の前理事長・元放駒(はなれごま)親方が18日、亡くなられました。協会関係者によると、同日午後、都内のゴルフ場で練習中に倒れ、救急搬送される途中に息を引き取られたそうです。享年66。

 この人が脚光を浴びたのは理事長在任中の2011年2月に発覚した八百長問題で春場所の中止、夏場所の無料公開、さらに疑惑力士を大量解雇したこと。
 亡くなった人を非難するのは日本人の美徳に反するそうですが、しかしこの処置は本当に正しかったのか、私は大いに疑問です。
 とくに現役力士の大量解雇はまったくの暴挙であり、トカゲの尻尾切りです。

 大相撲の八百長は昔から続いてきた悪しき慣習、日本人の大半が知っています。
 したがって、この際相撲協会の責任者の取りうる最も誠実な裁定は、
 「これは先人からの負の遺産。これを断ち切れなかったのは我われの無力で、深く恥じ入っております。これを行った現役力士諸君はほめられたことではありませんが、先輩からいわれて逆らえなかったという側面もあり、情状酌量の余地はあります。これを機にこれまでの悪しき因習を打ち破り、全員一致でゼロからスタートしていく所存です」
 と表明すること。
 こうすれば春場所の中止、夏相撲の無料公開、疑惑力士の大量解雇など、大損を被り、犠牲者を出すようなことはせずに済んだのに。

 我われ国民だって、「やっぱりそう(先代からの八百長)だったか」と納得し、理事長は「よくぞそれを認め、思い切ったことをやったものだ」と称賛されるでしょう。

 ところが前理事長のやったことは「現役力士に辛く、先人に甘い」処置。
 まったく愚かな裁定というしかありません。

 これは私だけの意見ではなく、当時の新聞は
 「大相撲の八百長問題は、日本相撲協会が、関与を認定した25人を角界から追放し、幕引きを迎えようとしている。約3カ月にわたる取材を通じて感じるのは、問題の全容解明に程遠いまま、一部の力士らに責任が押しつけられたということだ。今回の問題が発覚する以前から八百長が存在し、それを野放しにしてきたと、協会が組織として認めない限り、根本的な決着に至らないのではないか」
 と指摘しています。(大相撲「八百長問題」幕引きへ/毎日新聞/2011.04.26号)

 そもそも先人は正しいことをしてきたのか。
 大相撲が巡業に出るたびにその土地の非合法組織のお世話になっていたのは周知の事実。当初はやむを得なかったという事情があるにせよ、問題になってからも断ち切れなかったのはやはり先人の責任。
 また立合いだって、現在の力士はちゃんと手をついてるけど、大鵬さんなんかの全盛時代のビデオを見ると、ちゃんと手をつかずにふわっと立っている。大鵬さんが強いのはわかっているけど、なんだ、このザマは。

 相撲に限らず、侵略戦争だって同じ。
 我われは先人の負の遺産など受け継ぐのは真っ平だ。
 そう思わない限り、前へ進めないのです。
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