2014.03.05 暗い日曜日
 10代のころ「暗い日曜日」という唄を聞いたことがあります。
 ダミアという歌手が歌っていて、陰鬱な曲でした。当時はシャンソンとばかり思っていましたが、元はハンガリーの楽曲だそうです。
 その作曲者にまつわる小説を映画化したものがこの「暗い日曜日」(Gloomy Sunday)(1999=ドイツ・ハンガリー共同制作)です。
タイトル
 ラズロ(ヨアヒム・クロール)は首都ブダペストにあるレストラン・サボーの経営者。
 ウエイトレスのイロナ(エリカ・マロジャーン)とは相思相愛の仲ですが、アンドラーシュ(ステファノ・ディオニジ)という青年をピアニストとして雇い入れたことによって、次第にイロナとアンドラーシュは惹かれ合います。ラズロはそれを容認し、奇妙な三角関係になります。
イロナ ラズロ アンドラーシュ
 イロナの誕生日にアンドラーシュは自ら作曲した「暗い日曜日」を演奏します。
 それは居合わせた人々の共感を呼び、それを聞きたさに店にくる客も増え、さらにその曲がレコード化されて、世界中に広まります。
① ②
 その一方、「暗い日曜日」を聴きながら自殺する者が後を絶たないということを聞かされ、アンドラーシュは悩みます。
③
 そこへかつての常連客であったドイツ人のハンス(ベン・ベッカー)がナチスの幹部としてブダペストにもどってきました。
ハンス
 若いころはイロナに振られて川に身投げし、ラズロに助けられたほどのナイーブな青年だったハンスですが、ナチスの権力をバックに横暴な男になっていました。
 その振る舞いに抗議するようにアンドラーシュは自らの頭に拳銃自殺。
④
 ハンガリーにもナチスによるユダヤ人迫害の手が伸び、ユダヤ人のラズロにも身の危険が迫ってきます。イロナはハンスに身を呈してラズロの出国を懇願しますが、ハンスはそれを裏切ってラズロをアウシュヴィッツに追いやりました。
⑤ ⑥
 50年後、レストラン・サボーで80歳の誕生日を祝っていたハンスは、「暗い日曜日」が演奏されるなか突如倒れ、絶命します。死因は心臓麻痺とのことですが……。
 ハンスの死を見届けたイロナは息子と祝杯をあげます。復讐は終わりました。
DVDの表紙
 非常に重い映画です。(一部紹介
 陰鬱なメロディが全編に流れるなか、男女の愛が繰り広げられ、戦争の悲劇が進行します。
 この映画は男女の愛情劇ですが、スピルバーグ「シンドラーのリスト」(1993)のアンチテーゼ版といえなくもない。むしろ「シンドラー……」を凌駕しています。
 ドイツがこんな映画をよくつくったものだと思いました。

 このところ図書館などで「アンネ・フランク」の本が切り裂かれる事件が多発しています。
 誰がなんのためにこんなことをするのかわかりませんが、この映画を観ればとてもそんなことはできないと思います。甘いでしょうか。
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