猪瀬都知事が辞職しました。
 そうなった以上、この人物への言及はしないつもりでしたが、「アマチュアだった」のいい訳に違和感を覚えたので、私の体験談を少し述べさせていただきます。
 私が最初に仕事に就いたのは民間の教育団体で、保育者向けの教材の編集、講習会の企画などが主な仕事でしたが、保育雑誌に執筆の枠も持っており、新人の私の担当でした。

 あるとき「夏休みの遊園地特集」で、房総半島にある「某牧場」に取材に行きました。このときは親しくしていた某新聞社の教育面の記者も一緒でした。
 この「某牧場」の本社は東京都港区にあり、取材のときは本社から重役がきて、我われを案内してくれました。

 重役は(遊園地の)施設内をひと通り案内して、「食事でも」と、施設内の料理店に入り、そこで「しゃぶしゃぶ」をご馳走になりました。
 そして別れるとき、「じゃあ、よろしく」と封筒を渡されました。「?」
 記者氏は「ああ、どうも」と受け取り、私には「受け取っとけ」という合図。
 帰りの電車内で封筒を開けたら3000円入ってました。
 当時の私は薄給の身。ありがたくいただきました。上司には内緒です。
 その後私は娯楽雑誌の出版社に勤め、数年後フリーのライターになりました。
 風俗店の取材もしました。
 ここは取材に協力的な店と非協力的な店と両極端です。
 こちらは社会正義を振りかざす報道でもないので、「取材お断り」の店には行きません。取材協力店のみが相手。「取材させてもらう」ことは当然提灯記事になります。
 協力店のなかには「お車代」をくれるところもありました。
 その金額は1~2万程度ですが、25年ほど前の「ホテ〇〇」(今は非合法)全盛時代は5万円、10万円ということもありました。これで道を踏み外したライターを何人か見ています。
 これらは先方が「親切な人」だったから?
 いえいえ、これは「費用対効果」として支払われたのです。
 人間、金をもらえば悪い気はしない。「なんとかこの店をいいように書いてやろう」という気になります。店にとってはそれが集客につながるのです。
 厳格にいえばこれは「賄賂」です。

 当時20代前半の若造が、某牧場を取材したときにもらった3000円も「賄賂」です。
 私はそのとき、「世のなかにはこういう金の動きがあるのだ」と認識しました。
 そして受け取ったからには、某牧場が子どもにとっていかに楽しい施設であることかを保育雑誌に書きました。(すべての遊園地記事がそうだというわけではありません)
 猪瀬都知事が5000万円受け取ったことを都議に追求されて、「世のなかには親切な人がいるものだと思った」といいました。こんなふざけた答えはありません。
 都知事の立場なら、「これは職務に関連した金だ」とすぐわかります。
 彼は「私は政治家としてアマチュアだったから、それがわからなかった」といいたげですが、物書きの目から見ても完全な賄賂です。(逆の立場だったら、彼はそこを徹底的に追求するはず)
 「アマチュアだった」という弁解は人間として見苦しい。
 彼は政治家をやめて物書きにもどるそうですが、だとしたら私が述べた「視点」から逃げることなく、赤裸々に記述してもらいたいものです。
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