今回の同窓会は、楽しいことばかりではなかったのです。
 高三のとき親しかったTY君が数年前に他界していることを知らされました。

 彼は高二の冬の補習授業で一緒になりました。
 中学時代から親しかった友が化学部だった関係で、化学部の連中と行動をともにするようになり、そのひとりがTY君でした。

 「今度出たレイ・チャールズの曲いいね」
 と彼がいったのは「♪I can't stop loving you I've made up my mind……」ではじまる「愛さずにはいられない」でした。 
 彼のいった通り同曲はヒットチャート1位になりました。
 彼には独特の先見性があったように思います。

 三年で同じクラスになったこともあって、よく行動をともにしました。
 小中学校は違いましたが、彼の自宅は浄土寺。意外に近くでした。そのため彼の家に遊びに行ったこともあります。

 「本当はハリー・ベラフォンテが好きなんや」
 そういって見せられたのがベラフォンテのLP盤。
 「♪Down the way where the nights are gay And the sun shines daily on the mountain top」
 「さらばジャマイカ」は原語で口ずさめるほどでした。
 他にも「マティルダ」「陽の当る島」「帰りませライザ」なども聴かせてもらいました。
大文字山
 彼は当時には珍しい写真オタクで、一眼レフを持ち、自室に暗室をつくって撮った写真を自分でプリントしてました。
 高校の文化祭の模様も彼が何枚か撮り、それを焼いたのをもらったこともあります。

 高校を卒業した直後、彼を含めた4人で大文字山→皇子山→大津(滋賀県)のコースをハイキングしたことがあります。そのときも彼が写真を撮ってくれました。
 セルフタイマーで4人が一緒に写っている写真があります。
 全員大学を落ちた割には笑ってました。

 大津から京都(京阪三条)にもどってきたとき、「ちょっとつきおうてくれ」と彼が寄ったところはスポーツ用品店。ここで5㎏のダンベルを2個買いました。
 「浪人生活に備えて、身体鍛えんと」
 彼は運動部には所属してなかったけど、マッチョ(筋肉)志向でした。
 それに古風なところがあって、神社の前では必ず一礼しました。

 政治の話もしました。
 彼は国家神道を基にした思想で、革命思想の私とは対立しました。しばしば論争もしましたが、ケンカになることはなく、互いを認め合いました。
 私は上京して学生運動に共感しますが、その一方で神道に惹かれたのは彼の影響かもしれません。

 音楽の趣味でいえば、私はオーティス・レディングのようなソウルミュージックに惹かれましたが、これも彼の影響といえなくもない。
下御霊神社
 彼との交流は私が上京することによって途絶えましたが、別の友人の話ではU市(京都南部)の市役所に勤務していたとのことです。
 意外でした。彼は化学部にいたので理科系に進んだと思っていました。その彼がなぜ役所勤めを?
 国家神道的な思想から、地方自治体に意義を見出したのか。
 今となっては知る由もありません。
 大文字山で写真を撮った4人ですが、吉田神社のふもとに住んでいて、節分の日に蕎麦をご馳走になったK君も、もうこの世にはいません。(これは2年前に知りました)(参照
 「4人中ふたりまでも……」
 ことばがありません。
 ふたりのために西に向かって手を合わせました。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://aitokodoku2.blog.fc2.com/tb.php/340-8b685f82