「どうもオレの担当の療法士は指圧が生ぬるい。表面をフワーッと撫でるだけで、まったく効きやしない。もっとギューッと強く押せっていうんだ」
 入院していたとき、向かいのN氏がよくぼやいていました。
 彼の担当の療法士さんは若い女性のため、「指圧がもの足らん」というのです。

 そういえば……。
 私にも心当たりがあります。
 私の右肩を施術してくれる療法士さんも若い女性で、美人だし、話も面白いけど、やはり指圧が生ぬるい。
 私は秘かにこの人のことを「美人お笑い療法士」と名づけましたが、パワーは今イチの気がして、はたしてこれでいいのか、本当に治るのだろうか、内心不安でした。

 それでもN氏に同調することはなかったのです。
 これは患者同士のライバル意識(?)とでもいいますか、「あんたの療法士もヘナチョコか」と思われたくなかったからです。

 とはいえ私の担当の療法士さんの施術は相変わらず生ぬるい。肩およびその周辺をフワーッと撫でてるだけ。
 しかし……これが実に気持ちがいい。
 肩の痛みが消え、強張っていた筋肉がほぐされ、伸びていくような気がします。
 「そうか、これでいいのだ」
 これに気づいたのは、退院してリハビリに通ってからのことです。

 「強く押せばいいってものではありません。強く押せば筋肉はかえって硬直するので逆効果です。軽く撫でることによって血行がよくなり、筋肉が柔らかくなるのです」
 と担当の療法士さん(美人お笑い療法士?)

 彼女はパワー不足ではなかった。わざと力を入れずに軽く撫でていたのだ。
 N氏のことを話すと、「ギュッと強く押せば効いたような気がするだけで、指圧に対する考え違いです」と笑いました。

 あのオヤジ、なにもわかってない。
 もっとも今は退院して、ピンシャンしているからいいんだけど。
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