8月24日(土)朝。いよいよ本格的な歩行訓練です。
 前日のレントゲン検査で、
 「左足100%加重OK。どんどん歩行訓練をやりなさい」との診断が出ました。
 実はその前から「退院は31日」と主治医に決められているのです。
 歩けるかどうかわからないのに、先に退院を決める。「最初に退院ありき」です。
 まあ、いい。こちらも早く歩けるようになりたい。

 そんなわけで、張り切って歩行訓練を始めました。
 私の病室は東端にあるので、そこから中央ラウンジを通り、西端に行きました。
 実は病棟内の廊下は二本あって、この廊下の西端は非常口になっていて外が見にくい。そこでもう一本の(南側の)廊下に出ました。
 この廊下の西端はI子(62)やH子(52)の病室があります。
富士山①
 その廊下に出たとき、彼女たちから「お兄さん、富士山よ!」
 なんと、狭山丘陵の向こうに富士山がそびえ立っているのがはっきり見えました。
 「おッ」
 私はまだ(左足が万全ではない)歩行訓練中の身を忘れ、バタバタと(東端の)自室にもどり、カメラを持って西側のガラス戸まで取って返しました。

 「意外に大きいのね」
 私も富士山は都内で何度か見たことはありますが、それよりはるかに大きい。
 それもそのはず、ここはふじみ野市と富士見市にはさまれたところ。両市とも「富士」にちなんでいる。それだけ富士山が見える格好の場所だからです。(紛らわしいけど)
 「でも今日初めて見た」
 「夏は見えないのよ。でも昨夜の激しい雨で空の汚れが洗い流されて、空がきれいになったからよ」
 私としてもあと一週間で退院というところで見られるとは、なんたるラッキー。

 こうして妹たちと富士山見物を堪能し、部屋にもどろうとしたところ、「お兄さん、足引きずってるわよ」とI子に指摘されました。
 さっき無理して走ったために、左足が痛い。見ると腫れあがっています。「これはまずいことになった」

 実はI子が明日退院なので、「一緒に歩行訓練しようね」と約束していたのですが、これでは無理。「ゴメン、この通りだ」と跛行して部屋にもどりました。
富士山②
 看護婦さんには、「先生の指示通りガンガン歩行訓練したら、こうなりました」と報告。
 「あらあら、これは大変」
 この状態は主治医にも伝わったはずです。しかし主治医は顔を出さず、看護婦さんが冷湿布を持ってきただけ。 (先生の心中やいかに?)

 あとで車椅子でラウンジに行くと、I子に文句をいわれました。
 「なによ、お兄さん。最後だから、手をつないで歩くの楽しみにしてたのに」
 こちらは平身低頭。詰めの甘いところがいかにも私らしい。

 それにしてもこの朝の富士山は何だったのか。
 いいことが起こる前触れだと思ったのに。
 I子と歩けなくてよかったのか、悪かったのか。よくわかりません。
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