リハビリは手術の翌日から始まり、その翌日から午前と午後リハビリ室で行われるようになりました。
 ここはいうならば各種機材のそろったトレーニングジム。
 あちこちの台で患者が療法士さんに施術してもらってますが、なかには歩行用の平行棒、エアロバイクやロードランナーなどもあり、見てるだけで楽しそう!

 もちろん人によっては痛い思いをせねばならず、私自身も痛い思いをしましたが、それでもここは楽しいところです。
 なによりも人が頑張っているのを目の当たりにできる。これは感動します。
 また自分自身も人に見られるので、無様なことはできない。「やらなきゃ」という気になります。

 とくに私は年配の女性を見るのが好きで、思わず「頑張れ」と声をかけたくなります。
 そんな思いで見ていると、相手にもその気持ちが通じるのか、目と目が合うとにっこりあいさつするようになります。これが楽しい。

 あるとき右腕の曲げ伸ばしを施術されながらとなりの台を見ると、コルセットをつけた女性が膝の曲げ伸ばしをやらされてました。
 私と顔が合ったとき、その女性がニコッ。
 それを見たとたん、「オレも頑張らなきゃ」と思ったものです。
 これが後に私の「妹分」になるY子(44)です。
 親しくなってから「あんたはオレの恩人だよ」といいました。
リハビリ室
 なかには「イテテテ、痛えよッ、やめてくれ」というオジサン。
 激痛を訴えられると療法士はやめざるを得ませんが、「今やらないと、永遠に治らないのになあ」と思っています。
 (ちなみに女性のほうが痛みに強いそうです)

 奥のほうでは女性が療法士さんに向かって大きな声で「お母さん!」と叫んでいました。
 不思議なリハビリもあるものだ、どういう効果があるのだろう、そう思って療法士さんに聞くと、「あれは発声練習です」
 この女性は脳梗塞の後遺症で声が出なくなったために、大声を出す練習をしているのだとか。

 音読練習というのもあります。
 あるときひとりのジイサンがテキストを読んでいました。
 「今日は晴れていて気持ちがいいです……富士は日本一の山です……ぼくは将来サッカーの選手になりたいです」
 これには笑いました。こんなジジイがサッカー選手に?
 私を施術していた療法士さんも笑ってました。

 あるおじさんはなにもせず、車椅子に座ったまま。点滴袋をぶら下げてました。80近いお年寄りかと思ったら、私と同い年だそうです。
 「あの人はどういうリハビリをしているの?」と聞いたら、なにもしないとのこと。
 この人は放っておくと居眠りする。そのため夜眠れず他の人に迷惑をかけるので、昼間はここに置いてときどき療法士さんが揺すったり声をかけたりするのだとか。
 「こんなリハビリもあるのか」
 思わず笑いました

 私が笑うのは、バカにしているからではありません。
 人が「生きよう」と努力している姿を見ると、微笑ましくなるのです。これは彼らに対するエール、愛情表現です。

 そんな人たちの人生模様がここでは一挙に見られる。
 だからこそリハビリ室は楽しいし、飽きないのです。
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