昨日も登場した向かいのヤクザ男。
 本当はヤクザではないのですが、若いころから空手をやっていたこともあってケンカが強く、風俗店の用心棒などをして世間を渡ってきました。病院内では(とりわけ看護婦さんには)愛想のいいオヤジでしたが、電話などで他の人間と話しているときはヤクザそのものでした。

 彼が若いころにいた風俗店は、偶然にも私が取材でよく行った店。私はそこの親玉(風俗界の大物)と親しかったので、それをいうと彼の態度がガラリと変わり、「兄貴分」扱いされるようになりました。
 こんな男に兄貴分扱いされても居心地はよくないのですが、機嫌を損ねられても困るので、適当に合わせました。

 彼は酒は飲まないけど、若いころからチョコレートばかり食べ、そのおかげで血糖値はどんどん上がり、40代後半から200~300、ひどいときは800(初めて聞いた!)もあったとか。そのため病院通いするようになり、7~8年前からは入退院をくり返すようになりました。

 私は糖尿病というものがよくわからず、「甘いものを摂ったために血糖値が上がったのなら、やめればいいじゃないか」と思ったのですが、そう単純な問題ではなく、急に血糖値が下がると危険な状態になるので、血糖値を上げるために甘いものが必要になるといいます。
 なんとも厄介な病気ですが、急に血糖値が下がったときの応急措置として、彼はグラニュー糖を溶かしたものを魔法瓶に入れてました。

 しかし入院するとそれは没収され、病院から処方されたブドウ糖を飲むように、との指示。
 「これじゃ利かないんだよ」とぼやいていました。
 食事は私と違って低カロリー食だったようです。

 しかしそれでも改善せず、「外科はいいよなあ。治るから」とぼやいてました。
 そして途中で退院。

 たしかに糖尿病は治りにくい病気だと思いますが、当人の心構えもあるのではないか。
 というのもこの仁、病院食だけでは足りず、売店で唐揚げや菓子パンなどを買っては寝る前に食べてました。缶コーヒーだって、私は無糖なのに、彼は甘いカフェ・ラテ。これじゃあなあ。
 糖尿病患者といえば、8月半ばごろから親しくなったS君(32)
 パチンコ屋の店員で、120㎏の巨漢。急に倒れ、病院に担ぎ込まれました。
 診断は低血糖による発作で、それまでの最高血糖値は1200! 医師もビックリしたほど。
 この彼も内科病棟が空いてないので、HCUのあと整形外科病棟に入ってきました。

 「今まで血糖値なんか計ったことなかったんすよ。計ってたら完全にアウト。食生活がメチャクチャでしたから」
 巨漢の割には人懐っこい性格で、ラウンジで談笑している我われ(私とコルセット三姉妹)に加わってきました。

 「病院のメシだけじゃ、とても足らないッすよ」
 そんなことをこぼしながらも低カロリー食に耐え、看護婦さんに教わって自分で血糖値を計り、インシュリンも自分で打てるようになって、血糖値も安定してきました。
 それだけではなく、「2週間で17㎏減量できた!」と大変なよろこびよう。

 「これからは病院の食事を参考にして、食生活に気をつけます」
 殊勝なことをいって、私と同じ8月31日に退院しました。

 ヤクザ男とS君、糖尿病患者としては対照的なふたりですが、いろいろ勉強になりました。
 
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