最初の入浴は入院した日、つまり手術の前日です。
 このときは腕の自由が利かないため、着ていたシャツは看護婦さんにハサミで切ってもらいました。
 股間は左手を使って自分で洗いましたが、あとは看護婦さんに洗ってもらいました。


 手術後は右腕、左足の自由が利かないので、毎朝看護婦さんに身体を拭いてもらいました。
 ただし股間は専用のタオルで左手で拭きました。
 パジャマも毎日変えるので、患者の清潔さは保たれています。
 私にとってはそれでじゅうぶんでした。「風呂に入らなくても、別に死ぬわけじゃなし」


 入院してから17日目、看護婦さんに「入浴できますよ」といわれました。
 といってもまだ身体の自由が利かないので、看護婦さんに洗ってもらうことになります。
 ギプスで固定された左足には大きなビニール袋がかぶせられ、全裸姿でストレッチャーに横たわりました。
 洗ってくれるのはふだんお世話になっている看護婦さんのMさんとUさん。ともに20代前半のやさしい女性。彼女たちにしてみれば、男の裸など見慣れているので、どおってことはないのですが、こちらとしてはなんだか居心地が悪い。
 もちろん「ありがとう、ありがとう」と感謝しっぱなしでしたが……。


 終って向かいの糖尿病のヤクザ男にそのことをいうと、「勿体ない……」
 「そんな楽しいことないじゃないか。オレならスッポンポンになって、『ここも洗ってくれい』というのになあ」
 この男は風俗慣れしているから図々しく振舞えるのだろうけど、私のような小心者はとてもできない。


 これについて女性の療法士さんに聞いてみると、男性患者はなまじ恥ずかしがるよりも、洗ってもらうことを楽しんだほうが看護婦さんはやりやすいのではないか、とのこと。
 やっぱりなあ。


 ちなみに当病院には湯船の風呂はありません。おそらく危ないから。
 療養病院にいた患者によると、そこではストレッチャーに乗せられて、湯船にザブーンと浸けられる装置があったとのこと。(フライドポテトかッ)
 もっとも当病院には四方八方から霧が吹き出るミストサウナがあり、最高に気持ちがいいとか。ただし圧迫骨折患者のみということで、体験できなかった。残念。


 その後、何度か風呂に入りましたが、三角巾が取れ、ギプスが外されて、動けるようになるに連れて、看護婦さんの手助けはなくなり、終いにはシャワー室に入るとき年配の介護士のおばさんが外から監視するだけになりました。
 恥ずかしさはなくなったけど、なんだか味気ない。(勝手なものです)


 また何かの折、若い看護婦さんに洗ってもらうことになれば、それを楽しめるような図太さを持ちたいと思いますが、今後そんな機会があるかどうか。

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