私の右腕には金具が入っています。
 レントゲン写真を見ると、肩口から肘にかけて約12㎝ほどの支柱が入っており、それがズレないように5~6ヶ所ボルトで留めてあります。
 「よくもまあ、こんなことをするものだ」
 現代医療の常識とはいえ、半ば呆れました。

 手術して数日後、右腕を三角巾で吊るし、さらにバストバンドを巻き、左足をギプスで固定した格好で車椅子移動していたとき、ラウンジで車椅子のお婆さんから声をかけられました。
 「この人はこんなひどい怪我をしているのに、にこにこしているよ。あやかりたいものだねえ」
 そういって私の身体をやたら触ってくる。(ジジイが女性にやったらセクハラだ)
 当時の私はにこにこというより、「笑うしかない」というヤケ笑いでした。

 このお婆さんは大腿骨骨折で、腿のところに金具が入っているそうです。
 「私も肩に長い金具が入っています」というと、
 「おやまあ、それはそれは。今の医学は非人間的な手術をやりますねえ」
 こちらは苦笑しながら、「そんなことはありません。これによって、今まで繋がらなかった骨も繋がるようになったのですから」
 いつの間にか現代医療を擁護していました。

 私の右肩に入れられた金属ですが、夜になるとジンジンと冷えてきます。冷房のせいです。
 これは手首を骨折したとなりの「お調子者」も同じ意見で、「冷えるよねえ」

 あるとき主治医が回診にきたとき、となりの仁が「冷えるんですけど」と訴えたところ、
 「気のせいだよ」と一蹴されてしまいました。

 (気のせいだよ、はないだろう)
 私としては憤懣やるかたない。そこで私のところへ主治医がやってきたとき、
 「疼くような痛みを覚えるんですけど」というと、
 「うーん、まあ、金属が入っているからね」
 渋々認めました。

 主治医としては「冷える」というのはわかっていると思います。
 ただし、「金具のおかげで骨が繋がるようになったんだ。贅沢いうな」という気持ちがあるのでは。
 私はむろん感謝しています。しかし冷えるものは冷える。
 それをわかっていただきたいのです。私も現代医療を擁護しているのですから。
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