20年ほど前、仕事仲間数人と映画の話をしていたとき、イラストレーターの女性がが「『八月の鯨』が好き。お婆さんがとっても可愛いの」といいました。
  

 「そんな可愛いお婆さんの映画なのか」
 そう思ってビデオを借りて観たけど、ふたりのお婆さん姉妹を中心とするやり取りで、それほど可愛いとは思えなかった。とくに感動した映画でもなかったし。

若き日の回想   

 ところが今回CS放送のイマジカムービーで放映されたので、改めて観ました。
 原題「The Whales of August」(米/1987年公開)、監督はリンゼイ・アンダーソン。

 アメリカ・メイン州の小さな島の別荘で暮らすサラ(リリアン・ギッシュ)とリビー(ベティ・デイヴィス)の老姉妹は、8月になると入り江に鯨がくるのを楽しみにしていた。
 今はふたりとも夫に先立たれ、子どもたちとは別れて暮らしている。

サラとリビー   

 リビーは目が不自由になり、わがままになっているが、サラには若いころ夫が戦死したとき、リビーに面倒を見てもらった負い目があり、今はリビーの面倒を見ている状態。
  

 別荘には幼なじみみのティシャや修理工のヨシュア(ハリー・ケリー・ジュニア)、近くに住むロシア移民のマラノフ(ヴィンセント・プライス)らが訪ねてきて、お茶を飲んだり食事をしたりして和やかなひとときを過ごすが、リビーにとってはあまり面白くない。

客人たちと   

 居間の窓を大きくすることを提唱するヨシュアについては「金儲けのため」と疑い、魚をくれたり、さばいてくれたりするマラノフについては「こっちに入り込みたいからだ」といい切って、サラに辛く当たってしまう。
  

 マラノフは料理上手で知識も豊富。楽しく会話のできる人間だったが、リビーのすげないことばに去っていく。

右はマラノフ   

 リビーはある意味ではマラノフの本心を見抜いていたのかもしれない。しかしサラの落胆した姿を見ると心が痛む。
 翌朝、リビーはヨシュアが勧めていた窓を大きくする工事を承諾し、「鯨を見に岬まで行きましょう」とサラを誘いました。

鯨が見えるかしら 

 以前は鯨がどうしたということばかりが気になってよくわからなかったけど、今回は人物構成がよくわかりました。
 こちらも齢をとっているので、身につまされるところはあります。
 とくにマラノフの生き方について。
 いわば放浪の人生ですが、私は彼と違って自分で自活して生きたい。
 それを教えられた映画でした。

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