アメリカ合衆国の第45代大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれたことで、日本の政界は上を下への大騒ぎ。
 トランプ氏は、「日本は只同然に在日米軍に守られている。応分の費用を負担しなければ、駐留軍を引き揚げる」といっているので、気が気ではない。
   

 これまで自民党主流派はアメリカの庇護のもとに政策を進め、我が国を支配してきた。
 では、なぜ、どのような経緯で、そのようなことになったのか、その解明にヒントを得られるのが松本清張「日本の黒い霧」です。
    
 これはノン・フィクション小説で、
 1) 下山国鉄総裁謀殺論
 2) 「もく星」号遭難事件
 3) 二大疑獄事件
 4) 白鳥事件
 5) ラストヴォロフ事件
 6) 革命を売る男・伊藤律
 7) 征服者とダイヤモンド
 8) 帝銀事件
 9) 鹿地亘事件
 10) 推理・松川事件
 11) 追放とレッドパージ
 12) 謀略朝鮮戦争
 に分かれている。
     
 いずれも不可解な事件であるが、これにはGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)がしたたかに関わっていた。これらはアメリカが日本を支配する戦略の一環である、と著者は分析する。

松本清張「日本の黒い霧」   

 例えば、(11)「追放とレッドパージ」
 1950年、旭硝子、川崎製鉄などで労働者が大量に追放解雇・免職にされ。いわゆる「レッドパージ」である。これによって1万を超える人々が失職した。
 職場でレッドパージを受けた一般の労働者で復職できたものはほとんどおらず、またレッドパージを受けたことがわかると再就職先にも差し支える状態であったといわれる。
  

 当時アメリカ本国では苛烈な「赤狩り」旋風が吹き荒れていた。
 日本では日本共産党が台頭していた。マッカーサー(GHQ)はそれを恐れ、本国にならって過酷なレッドパージを敢行した。しかし……。
  

 1945年8月15日、日本は敗戦し、国土はアメリカをはじめとする連合国軍に占領された。
 当初アメリカは日本を理想的な民主主義国家にしようとして、戦前・戦中国家の中枢にいた人たち(日本を戦争に導いた指導者)を追放したが、いつの間にかその旧勢力を国家の中枢に返り咲かせた。
 これは一体どういうことか。
  

 当時GHQの内部では、日本の民主化を徹底させようとするGS(民生局)と、戦後世界の共産化を防ごうとするG2(参謀第二作戦部)がせめぎ合っていたが、次第にG2が勢力を占めていった。
  

 「日本という国は、民主主義を徹底させるのではなく、旧勢力を上手く利用したほうが都合よく支配できる」
 これがアメリカの国家戦略である、という。
  

 ドイツに対しては、ナチスを含む旧勢力を完膚なきまでに根絶させたのに。
 わが国で戦前・戦中の勢力の末裔が延々とはびこり、太平洋戦争を正当化する(?)どころか、権力の中枢を占めている。
    

 学生時代の私は、これが不思議でならなかったけど、同書を読んでその「からくり」がわかりました。
  

 旧勢力の流れを組む現首相と、これまでの関係を見直すことをチラつかせている(脅し?)ドナルド・トランプ氏。
 日本側はどんな手管を使って新大統領にすり寄り、隷属国(ジュニア・パートナー)としての関係を維持していくのか。
 注意深く見守っていきたいと思います。

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