ここでクイズです。この少女、知ってますか?
 えッ、誰だっけ。「赤い靴をはいた女の子」ではなさそうだし……。
 ヒントは少女が手に持った丸いもの。ボール? お手玉? まさか。

 この少女は誰?   

 これは蜜柑(みかん)です。
 といっても「♪みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道……」ではなくて、芥川龍之介の小説「蜜柑」出てくる少女。
  

 この小説は龍之介が横須賀の海軍機関学校の教官をしていたころ、鎌倉の下宿への帰路、横須賀線の車両内で、若い娘が自分を見送るために踏切で待ち構えていた弟たちに、窓から蜜柑をばらばらと投げ与える光景を目撃したというものです。

 吉倉公園  

 この小説は大学に入ったとき、学生寮で知り合ったK君(福島県出身)に教わりました。
 「この娘は東京へ行って、遊郭に売られるんだよ」
 K君はこの小説の影響を受けて、小林多喜二を代表とするプロレタリア文学に傾いていったといいます。
   

 私も「蜜柑」を読みましたが、受け取り方は人それぞれ。
 むろんプロレタリア文学も読みましたが、傾倒するまでは……。
 しかし、のちに大佛次郎の「ごろつき船」「鞍馬天狗・江戸日記」「乞○大将」などを読むと、当時(戦前)の日本(官僚)を痛烈に批判している。
 これは小林多喜二とつながっているのではないか、と思いました。

「蜜柑」の文学碑    

 話が逸れましたが、少女が蜜柑を投げたところがこのあたりというので、公園(吉倉公園)の一画に「蜜柑」の文学碑が建てられました。
 建てたのは龍之介の三男で作曲家の芥川也寸志さん(1925~1989)。

 植樹の記念碑 

 この少女像はそれにちなんで建てられたと思われます。
 そういえば、表情がなんとなくもの悲しい。

横須賀線   

 この公園から海側に横須賀線が走っていますが、その向こうにジョギングしている人の姿が見られました。
 公園にたむろしていたおじさんに聞いてみると、「あっちは自衛隊の敷地だから、入れないよ」
 海に面した通りを歩きたかったのに、残念。
 やむなく新逸見隧道をくぐって横須賀駅に向かいました。

新逸見隧道 

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