明治通りを挟んで抜弁天の反対側に稲荷鬼王(いなりきおう)神社があります。
 この神社は大久保村の氏神であった稲荷神と、熊野から勧請されていた鬼王権現を合祀して、稲荷鬼王神社となった(天保2年=1831)とのこと。
 熊野の鬼王権現は現存していないため、「鬼王」の名を持つ日本唯一の神社となっているそうです。

稲荷鬼王神社・鳥居    

 祭神は稲荷神の宇迦之御魂神、鬼王権現の月夜見命・大物主命・天手力男命、そして大久保村が祀っていた神々。

拝殿    

 当社の鳥居の近くにある石造の水鉢はしゃがんだ鬼の頭に、鬼より大きな手水鉢を乗せた姿をしている珍しいもの。(新宿区指定有形文化財)
 伝承によると、毎晩この水鉢から水を浴びるような音がするため、持ち主が切りつけたところ病気や災難に見舞われ、神社に奉納したものであるといわれています。

鬼の水鉢① 鬼の水鉢②    

 他には富士塚があったり、三島神社(恵比寿)や水琴窟などがあって見どころ満載ですが、「おや?」と思ったのは境内に展示された「赤い鳥」の表紙と本文ページの写真。

富士塚   

 雑誌「赤い鳥」とは大正7年(1918)に創刊された童謡、童話の総合雑誌で、執筆陣として芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋、島崎藤村、西條八十らが協力しました。

「赤い鳥」の展示①    

 ではなぜこんなものが展示されているのか、不思議に思ったのですが、その理由も描かれていました。
 「『赤い鳥』の執筆、編集に携わった鈴木三重吉は当地の人で、その業績を知ってもらうため、このたび当社所蔵の『赤い鳥』(全196冊)を展示いたしました。稲荷鬼王神社 第16代宮司 大久保直倫」

「赤い鳥」の展示②    

 なるほど、そういうことか。
 ここは歌舞伎町から少し北へ行ったところ。
 風俗の取材をしていたころは歌舞伎町なんて知り尽くしているつもりだったけど、こんな神社があったとは。
 改めて歩いてみると、また違う発見があるものです。

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