港の見える丘公園にある大佛次郎記念館。
 大佛次郎といえば「鞍馬天狗」が有名ですが、「霧笛」「花火の街」「幻燈」など開化期の横浜を描いた小説も多く、なかなかの出色で、私の横浜好きはこれらの作品によるものです。

大佛次郎記念館     

 記念館の脇に猫の銅像があります。
 これは氏が猫をこよなく愛したからだそうです。

猫の銅像    

 ここからも港(ベイブリッジ)を眺めることができますが、目についたのは唱歌「港」の歌碑。

港の風景  

 「♪空も港も夜は晴れて~」
 この歌は小学生のとき唄ったことがありますが、実はこれ日本初のワルツ曲(明治29年・吉田慎太作曲)だそうです。
知らなかった。

 「港」の歌碑    

 この先には神奈川近代文学館がありますが、それを結ぶのは霧笛橋。
 この橋(長さ51m)は昭和61年(1986)につくられ、かながわの橋100選に選定されています。なんとも洒落た橋名ですが、これは大佛次郎の「霧笛」からつけられたもの。

 霧笛橋    

 「霧笛」は氏の開花モノの先駆けとなった作品ですが、主人公(千代吉)の内面を掘り下げるという意味では今ひとつ物足りない。
 それよりも博打に明け暮れる元旗本の若者を描いた「花火の街」のほうが主人公(是枝金四郎)の内面を深く掘り下げていて味わいが深い。これは私の愛読書で、何度読んでも飽きない。

神奈川近代文学館    

 10年ほど前、友人にこれを貸したところ、「霧笛はよかったけど、花火の街はちょっとね。今ひとつピンとこなかったな」といわれ、改めて「人の趣味は様ざまだな」と思ったものです。
 今では「あいつの読み方は浅い」と思っていますが。

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