2016.08.16 八月の出句

 以前「振り向けば人影消えて土用浪」という句をつくったのですが、評価はよくなかった。気に入ってたのに。
    

 そこで、「振り向けばサーファーひとり土用浪」はどうだろう。
 ところが「サーファー」は夏の季語ではないか、という疑念が生じ、危ないのでやめました。
 考えてみれば、「振り向けば」にこだわることはない。

土用波    

 そこで頭をよぎったのはパット・ブーンの「砂に書いたラブレター」
 彼女あてに砂に書いたラブレター、それを波が流してしまい、青春は終わった、という意味です。そこで、
  

 青春の誓いを流す土用浪
         

 にしたけど、「青春」というのが今では歯が浮く。
 むしろ子どもにして、
   

 小さき子の絵文字流すや土用浪……②

 この時期、往く夏を惜しむ句をつくりたい。
 そこで浮かんだのが森山良子「さよならの夏」と、ワイルドワンズ「想い出の渚」
 しかし、
   

 さよならの汽笛残して夏終わる
 小麦肌もう帰らない夏の日よ
  

 ではあまりにベタだしなあ。(安易でもある)
 かといって、
  

 まだら焼け湘南ギャルの夏終わる
   

 これは「湘南ギャル」のところに何を持ってきてもパッとしなかったのですが、ふと港町の情景が浮かんできました。港町といえば、美空ひばり「港町十三番地」
 ということで、    

 マドロスのタトゥ半焼け夏終わる
  

 タトゥではイメージが悪いので腕に直し「生白く」にしました。
 マドロスといえば、「港港に女あり」ですが、この夏は女とのつき合いもままならず、海で遊べなかった無念さを「生白く」で表しました。
    

 マドロスの腕生白く夏終わる……③

 *

 他にも盆踊りと舟木一夫「高校三年生」(♪ぼくら フォークダンスの手をとれば 甘く匂うよ黒髪が)をかけて、
   

 輪に入らば黒髪匂ふ盆踊り……④
       
 
という句をつくりましたが、これはいかにもクサい。
 
したがって、今月の出句は①②③
  

 いつもは「身の丈」から出てきた句をつくっているのですが、今回は内外の歌をヒントに想像で詠んだ句ばかり。こんなのも、たまにはいいかな。

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