逗子海水浴場の東に「蘆花記念公園」があります。
 徳富蘆花ゆかりの公園?
 私は以前京王線沿線に住んでいた(府中)ことがあるので、どうしても気になります。というのは、この沿線に「芦花公園」があり、何度が行ったことがあるからです。

 蘆花記念公園    

 海水浴場の東は小高い山(桜山)になっていて、その麓一帯が公園になっています。
 この公園は昭和59年(1984)4月、市制施行30周年を記念して、逗子の名を広く知らしめた徳冨蘆花ゆかりの地につくられたそうです。
 今の季節、海水浴場は大混雑するのに、こっちはさっぱり。せいぜい犬を連れた老人が歩く程度。
 「ふーむ、こんな山の麓では気軽にこれないな。まして海水浴客なんぞ」

細い山道    

 公園の奥「郷土資料館」の標識があり、細い山道になっているので、そのまま上りました。
 歩くこと10分。冠木門の向こうに木造の建物。これが「逗子市郷土資料館」

郷土資料館入口    

 この建物は横浜の豪商の別邸として建築されたものを、大正6年(1918)から徳川宗家第16代当主家達の別邸として使われました。

資料館内部    

 なかなか風情のある建物です。円窓もさることながら、庭の眺めもいい。
 
離れも茅葺きの屋根で由緒ある建物だそうです。

離れ     

 館内の展示物は徳富蘆花をはじめ、逗子ゆかりの文学者のものが多い。
 「こうしてみると、逗子というのは多くの文学者とのつながりが強いのですねえ」
 と係の人にいったら、「でも、鎌倉には負けます」
 なるほど。

不如帰の掛け軸

 しかし逗子出身の文学者といえば、都知事をやられたあのお方。
 「あのお方は、さぞかし郷土の誇りなのでしょうねえ」
 といったら、苦笑されておりました。

展示物   

 ここは山の中腹にあるので、海の眺めが素晴らしい。
 「あの向こうが披露山。その右手にあの方の邸宅があったのですよ」
 「えッ、あのお方の」
 「山の中腹にね。当時は開発されてなかったので、自費で道路をつくらせたそうです」
 金のあるヤツはちがうなァ、としかいいようがない。

郷土資料館からの眺め    

 しかし私にとっては、あの方の「太●の季節」は青春のバイブルのような作品。
 あの作品によって湘南に憧れ、かの地を徘徊し、ようやく「限りなく湘南ボーイに近い男」といわれるようになった(笑うな)けど、7年前読み直してみたら、「なんだ、これは」
 ただのチンピラの話じゃないか。
   

 そのことを係の人にいうと、「あの小説は真面目に読んではいけないのです」
 湘南の若者の実像を描いたというより、一種の「おとぎ話」として読むべきである、と。
 おとぎ話、だと?
  

 ふーむ、そんな読み方があったのか。
 目からウロコの思いでした。この資料館は含蓄深いぞ。

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