2016.06.20 六月の句

 今月の兼題は十薬(=どくだみ)。
 これについては、「むさしの緑地公園」の柵の下に十薬の花が咲いていたので、ミニSLの線路に結びつけ、
   

 「十薬や雨後の線路に漂へり」
 「雨上がり十薬漂ふ線路あと」
   

 と詠んだのですが、いかにも安易。
   

 そんな折、川越の某無料休憩所に立ち寄ったところ、古ぼけた屋敷の庭先にびっしりと十薬が生えているのを目にしました。しかも雨の降ったあとだったので、なんとなく十薬の匂いが漂っている感じ。
 そこでこんな句が浮かびました。
   

 「十薬にむせる廃墟の雨上がり」

 十薬蒸す廃屋?  

 ここを廃墟呼ばわりしては申しわけないけど、これも俳句のため。
 「むせる」は漢字にすると「噎せる」ですが、「苔生(む)す」ということばがあるので「十薬生す」はどうだろう。そこで、
   

 「十薬生す雨の上がりし廃墟かな」
 「十薬生す朽ちし家屋の雨上がり」
   

 廃墟、廃屋、朽ちし家屋、あるいは廃校、朽ちし校舎などを当てはめてみたけど、最終的に廃屋に落ち着きました。
 そして十薬の場合、「生す」というより、(雨上がりに)むせ返るという意味で敢えて「蒸す」ということばを使ってみました。
   

 十薬の蒸す廃屋や雨上がる……①
   

 果たしてこれで通用するのか。楽しみです。

 以前、夏至を使ってベタな句をつくったことがあるのですが、それに懲りず、
   

 「今日こそは遠くへ行かむと夏至の朝」
 「今日こそは岬の果てまで夏至の朝」
   

 夏至の日というのは日が長いので、なるべく遠くへ行って帰ってこれる。しかし「今日こそは」は要らないのではないか。それよりも自分の決意を具体的にしようと、
    

 「半島の先まで行かむ夏至の朝」
    

 交通手段は自転車? しかし「半島」では具体性に欠けるので、思い切って瀬戸内海の「しまなみ海道」にしました。
    

 「しまなみを渡り切らむや夏至の朝」
    

 しかし「渡り切らむ」では稚拙な気がして、より強い意志を込めて「踏破」にしました。
   

 しまなみを踏破せむとや夏至の朝……②

 紫陽花の句といえば、鎌倉の東慶寺にちなんで、

東慶寺・山門    

 「紫陽花や縁切りしばし忘れをり」
  

 という句を昨年つくったけど、月並みな気がする。むしろ女の本意を貫徹させようと、
    

 「紫陽花に事寄せ縁切り願を掛け」
  

 と詠んだのですが、「事寄せ」より「言寄せ」のほうが文語的ではないかと、
   

 紫陽花に言寄せ縁切り願を掛け……③
  

 にしました。太字の①、②、③が今月の出句です。

スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://aitokodoku2.blog.fc2.com/tb.php/1234-456765f0