先日、某句界に出席しました。
 このとき私が持って行った句は。

 ①春を待つメタルで接ぎし我が腕
 ②文束ね未練を灰に庭焚火
 ③故郷を発つ停車場に春一番


 私の右腕には金属が入っています。
 3年前の夏、右上腕骨を剥離骨折したため、全身麻酔で骨の髄に金属の支柱を入れられました。
 当初はバストバンドで固定され、ほとんど動かなかったのですが、たゆまぬリハビリの結果、なんとか動くようになりました。
 それでもまだ痛い。右腕に袖を通すときは「イテテテ!」
 とくに冬はビシビシ冷える。それだけに春が待ち遠しい。
 その気持ちを詠んだ句が「①春を待つメタルで接ぎし我が腕」になりました

 ②は去年つくった「離別せむ文の数々庭焚火」を練り直したもの。

 ③も去年つくった「故郷を発つ贐(はなむけ)に春一番」をつくり直したものです。
 贐というのが気に入らない。「春一番」というのがすでに贐なので、わざわざ贐ということはない。それに故郷を発つのは自分だから、自分に贐というのは(自分へのご褒美と同様)自分を甘やかしているようで居心地悪い。そこで「停車場に」にしました。
  * 
 出席者は先生を含めて8人。
 生憎この日は遅刻し、みんな選考段階に入っていたため、あとから割り込んだ形になり、私に対する票はゼロ。
 それでも助手の先生(女性)が①に特選を入れてくれました。
 その評は「私の知り合いに骨に金属が入った人がいます。冬はそこが冷えて辛いといってました。だから『春を待つ』という気持ちがよくわかります」

 老先生のほうは(なぜか先生がふたりいる)「③故郷を発つ停車場に春一番」に並選をくれたけど、「停車場ということばが風情があっていいですね」といっただけ。
 春一番が吹いたというのは、故郷を発つ自分への贐である→門出を祝ってくれているのである、そこまで深く読んでくれ。

 出席者の句に対しては全体的に甘いし、句の解釈も物足りない。
 今後この句会とどう折り合いをつけていけばいいのか。
 * 
 ちなみに他の人の句で私が特選に入れたのは、

 ふたつみつ梅綻びて寺巡り……(4)最多得票
寺の梅
 お寺に行ったら、梅の花が二輪三輪咲いていた、という意味です。
 これをフツーに「寺巡り梅ふたつみつ綻びぬ」とすれば、「それがどうした」で終わる句です。
 ところがこれを並べ替え、「ふたつみつ」を先に持ってきて「なんだろう?」と思わせ、最後に「寺巡り」とタネ明かししたところに句のつくり方の巧妙さを感じました。
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