我われは「まるごとにっぽん」を出て、新仲見世通りに出ました。
 「なんや、アーケードギャラリーて」
 天井に歌手の顔が写された横断幕が下がっています。
新仲見世通り 
 「昭和の歌手の写真やな。キミの好きな加山雄三の写真もあるやんか」
 「そういえばさっきのマルベル堂(ブロマイド店)にあったな」
 「おッ、伊東ゆかりや。撮っとこう」
 「なんや、好きやったんか。『ワシは専らアメリカンポップスや』いうてたくせに」
 「まあ、いろいろあるのや」

 しばらく歩いていると刀剣店がありました。
 「おッ、名刀正宗」
 「それよりも見てみい、こっちは和泉守兼定。土方歳三のや」
 「ここにあったんか」
 「いや、これはレプリカやろけど、こんなところで見られるとはな」
 ふたりとも「燃えよ剣」の愛好者だけに、土方歳三のことになるとつい熱くなります。
名刀(?)がズラリ 
 「珍しい、コサックの剣や青龍刀なんかもあるのやな」
 「こっちには十手なんかもある。岡っ引きはこれで刀相手に戦ってたんやろか。えらいもんやな」
 「もっとも捕り方となると、刺又(さすまた)のような長い武器もあるけどな」
 しばし武器の話で盛り上がりました。
外国の刀も 

 疲れたのでお茶を飲むことに。
 「なんやこれ、『昔ながらの喫茶店』、入ってみよう」
 と階段を上って二階へ。
 店内はけっこう混んでました。
 コーヒーは苦みが効いてました。ネルドリップ? 
 なるほど、これが「昔ながらの~」の味か。

 「それにしても去年の暮はビックリしたな。殺しても死なんようなヤツが」
 話題は昨年逝った友のこと。
 我われの年になると、どうしてもこんな話が多くなります。
喫茶店にて 
 「オレも、もうそろそろかなあ」
 「いや、キミはまだまだ生きるわ。憎まれっ子世にはばかる、いうてな」
 「なんや、オレはそんなに憎まれとんのか」
 「はははは。今ごろ知ったんか。せいぜい長生きしてくれ」
 他愛もない年配者の会話です。

 ちなみに「昔ながらの喫茶店」はキャッチフレーズで、正式な店名は「友路有」(トゥモロー)であるとあとで知りました。
イルミネーション① 
 外へ出ると日は暮れて、オレンジロードにはイルミネーションが。
 「ほんならワシ、これで帰るわ」
 と彼はつくばエキスプレスで。
イルミネーション② 
 「我われの年代になると、『そのうち』はない、か」
 大沢悠里氏のことばをかみしめて、地下鉄の駅に向かいました。
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