川越・蔵造り街一番街を西に入ったところに長喜院という寺があります。
 曹洞宗の地味な寺ですが、注目すべきは本堂の正面左、沙羅の木の下にある苦行の釈迦像。
 「さとりを開く直前直後の姿」とのことで、目は落ち窪み、骨と皮になって、あばら骨が浮き出るほどの凄まじい姿です。
 立札には「開悟の後、人の幸せの道を説く」と解説されています。
長喜院の釈迦像
 この像はスリランカの彫刻家ソーマ・パーラーの作で、本物はインドのラホール美術館にあります。
 ここにあるのはレプリカですが、なかなか迫力があり、見るものを圧倒します。
 悟りを開くには食を断たねばならない。
 (私は無理)
 一方、一番街の東にある法善寺。
 天文18年(1549)の古刹で、京都東本願寺を本山とする浄土真宗の寺ですが、ここに「虫食い奴(むしくいやっこ)の墓」というのがあります。
 酒樽に腰をかけた袴姿の侍の石像。
 名を瀬川嘉右衛門といい、川越城主松平信綱に仕えていた奴(やっこ=槍持ち)ですが、この男は「剛強不屈で、常に大飲を好み、一斗以上も飲み、又、食肉を好み、禽獣、蟲、魚を問わず俎(まないた)上にある物は、美悪腐肉でも皆食した」(広報川越)とあります。
法善寺の虫食い奴  
 とんだ悪食(あくじき=ゲテモノ食い)野郎ですが、酒の肴に虫などを食べたので「虫食い奴」と呼ばれました。大食いタレントもここまで徹底すれば表彰モノ?
 嘉右衛門は生前から変わったことを求め、晩年には自分の姿を石に刻み、墓を建立し、法善寺に納めました。したがってこれは墓ということになる?

 釈迦像と虫食い奴。
 食を断つ者と、食に貪欲な者。
 誰だ、「真理は両極にあり」といったヤツは。
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