昨日(11/17)漫然と相撲を観ていたら、面白いことがありました。
 横綱白鵬が栃煌山に猫だまし。
 猫だましとは相手の顔の前で両手をパチンと叩く戦法。
 相手に対する目くらまし戦法で、トリッキーな技です。ただし決め手にはなりません。
 白鵬は立ち合い栃煌山の目の前で両手をパチン。突進する相手をひらりとかわしました。
 慌てて振り返った相手の顔に向け、再びパチン。
 面食らう栃煌山を組み止め、グイッと寄り切りました。
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 私は面白いと思いました。館内もけっこう受けていたようだったし。

 しかしこれに理事長が「横綱としてやるべきことではない」苦言を呈したそうです。
 マスコミも理事長の表現下手を忖度したのか、「相撲を舐めているととらえられかねない」などと知った風なことをいってるけど、そんなに悪いことなのか。
 猫だましというのは、自分の手を打ってるだけで相手を叩いてない、なんの危害も加えない平和的(?)な戦法。これのどこが悪い。
 それどころかやったほうはその瞬間無防備になるので、そこを付け込まれるリスクのほうが大きい。
 事実舞の海か何度かこれをやったけど、成功例を観たことがない。
 それも当然で、小兵の力士がこれをやってもなにも怖くないし、すぐ捕まえられる。やったほうが負けることが多いのです。
 では大柄な格上の横綱がなぜこれをやったのか。
 白鵬は「強い力士」というだけではなく、「相撲の研究者」という側面があります。
 モンゴル出身の白鵬にとって、日本の相撲はやればやるほど奥が深く、興味の尽きないライフワーク。
 大鵬ならいつも安全な「寄り切り」で勝っていたけど、白鵬がそうしないのはいろんな技を実験しているからではないか。
 「ほう、こんなワザがあるのか」「これはどんなときに効果を発揮するのか」と、日々研究(研鑽)していると思われます。
 研究すればその成果を発表したい。力士ならその発表は土俵の上になるのは道理。

 この日白鵬は勝負が決まった直後、栃煌山の胸を親しみを込めてポンと叩きました。
 それは「自分の実験に協力してくれてありがとう」という感謝の意ではなかったか。
 さらにいうと観客に対するサービス精神もあります。
 「相撲にはこんなワザもあるんだよ」
 と横綱自ら相撲の面白さを我われに伝えている。

 こんなことは白鵬でないとできません。
 弱い力士がこれをやっても、負けたら「発想は面白いんだけどな」「所詮は奇襲戦法」で終わり。ワザの真意は伝わらない。
 強い力士がやって成功してこそ、ワザの真意が伝わるのです。 

 そんな横綱の心意気もわからず、理事長はなにをつまらんことをいっている。
 そんなことより観客を増やす努力しろ。九州場所は空席が目立つぞ。
 白鵬はその危機を感じて、なんとかして客をよろこばそうとパフォーマンスしているのではないか。
 むしろ感謝してもいいぐらいと私は思うのですが。
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